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私にとってのMastery for Service



指揮者とはとても奇妙な職業で、音楽家を名乗っているにもかかわらず自らは音を出しません。オーケストラの奏者が演奏してくださらない限り、ただ舞台上でパントマイムをしているだけの変な奴。つまり目の前の奏者からいかに良い演奏を引き出すか、ということが仕事の肝になるわけです。そのためには、奏者が迷わず音楽を作れるよう、演奏する作品・作曲家に対して「今回はこういう演奏をする!」と確信を持てるまでいかに勉強や研究を重ねるか、同時に奏者が気持ちよく音を出せる自由をいかに生み出すか、という一見相反する二つを一生修行していかなければならない。作品や作曲家へのService、奏者へのService、そしてなによりそれを聴いてくださるお客さまへのServiceのために、生涯かけてMasteryすることが指揮者の人生のように思います。

指揮者

出口 大地さん

関西学院中学部 2005年3月卒業
関西学院高等部 2008年3月卒業
関西学院大学法学部 2012年3月卒業

大学卒業後、東京音楽大学作曲指揮専攻(指揮)卒業。ハンスアイスラー音楽大学ベルリン指揮科修士課程修了。2022年7月、東京フィルハーモニー交響楽団との定期演奏会にて日本デビューを飾る。第17回ハチャトゥリアン国際コンクール指揮部門にて日本人初の優勝。クーセヴィツキー国際指揮者コンクール最高位及びオーケストラ特別賞。東京およびベルリンを拠点に各地で活動中。

  • 30代
  • クリエイティブ職
  • 芸術