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私にとってのMastery for Service





弟はダウン症で知的障がいがあったものの、岸田家は笑いの絶えない明るい家庭でした。しかし私が中学2年生のときに父が急逝し、高校時代には母が車いすユーザーとなってしまいます。行く末を憂い絶望した母に、「生きていて良かった」と思ってもらえるよう志望したのが、社会起業学科でした。関学に進学して以降、つらいときや苦しいとき、手を差し伸べてくれる人たちと出会えたおかげで、私の暗闇にも希望の光が灯ったと感じています。これまで何度も傷ついてきたことで、自分と同じような人たちの存在にも気づきやすくなれました。悲劇を喜劇に変えるような自分にしか書けない文章で、つらさや苦しさを抱える人たちの心に、光を灯すことができればと願っています。

作家

岸田 奈美さん

関西学院大学人間福祉学部 2014年3月卒業

兵庫県神戸市出身。100文字で済むことを2000文字で伝える作家。大学在学中に株式会社ミライロの創業メンバーとして加入し、約10年間、広報部長を務めたのち、作家として独立。Forbes 「30 UNDER 30 JAPAN 2020」選出。著書に、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』『傘のさし方がわからない』『国道沿いで、だいじょうぶ100回』(いずれも小学館)、『飽きっぽいから、愛っぽい』(講談社)、『もうあかんわ日記』(ライツ社)など。

  • 30代
  • 作家
  • 芸術