Activity

Mastery for Service

西

Mastery for Service

今年4月にスタートしたブランドサイト『Mastery for Service』では、関西学院のスクールモットーである“Mastery for Service”を体現し、社会で活躍する卒業生の寄稿メッセージや、インタビュー記事などを掲載しています。本学のブランド価値を伝えるために、なぜこのようなサイトを開設するに至ったのか、その背景や経緯、サイトに込めた想いを、広報部企画広報課の中谷良規 さんと和田晃さんに聞きました。

関西学院広報部企画広報課の中谷良規さん(左)と和田晃さん(右)

“Mastery for Service”という言葉は、関西学院の宝物であり財産

『Mastery for Service』サイト開設のプロジェクトは、関西学院のブランディング事業の一環として始まったものでした。関西学院は何を大事にしていて、何を伝えたいのか。学内で議論を重ねた結果、辿り着いたのが関西学院の原点ともいえる言葉“Mastery for Service”でした。本学の卒業生でもある中谷さんは語ります。 「“Mastery for Service”という言葉は、関学の宝物であり財産です。関学の根底に流れるものを表すのに最も適した言葉だと、皆の意見がまとまりました。一方、スクールモットーは学内に向けた言葉なので、どうすればブランディングにつながるのかに頭を悩ませました。そこで、まずは卒業生をはじめ、在学生や教職員といった本学に関わる人たちでこの言葉の価値を共有・再確認し、本学関係者の想いや活動を言葉にして、徐々に社会に共感の輪を広げていくのがいいのではないかとなったのです」

一方、本学の出身者ではない同課の和田さんは、「ブランディングをするうえで、“Mastery for Service”というものをコアバリューに据えたことが斬新」だと感じたと言います。

「僕は関西学院の卒業生じゃないこともあって、“Mastery for Service”とはいったい何なのかについてだいぶ悩みました。行き着いたのは、端的に言い表したり明確に指し示したりすることのできないもの、ある種の総体だという捉え方です。そして定まった答えがないからこそ、卒業生がそれぞれの観点や言葉で、それぞれの“Mastery for Service”を伝えるというアプローチこそがふさわしいのだと考えるようになりました。ただ、サイトを構築しはじめた当初は、デザインやギミックなどを練って、よりよくみせるためのお化粧をしなくちゃいけないという固定概念に囚われていました」

そういったなかでパートナー企業から提案された、とてもシンプルなデザインを見て、「自分たちが“Mastery for Service”を解釈して表現しなくていいんだと気づかされた」と和田さんは説明します。

「解釈するのはサイトを見たユーザーであって、自分たちは発信するだけ。過度に装飾を施すのではなく、卒業生それぞれの言葉をありのまま落とし込む、透明な水のようなものでいいんだと思いました」

この言葉を受けて、「このサイトの主人公は協力してくれる卒業生一人ひとりなので、その人をいかに自然な形で見せられるか。手を加えない、加工しないところが、このサイトの肝だった」と中谷さんは振り返ります。

ブランドサイト『Mastery for Service』のトップページ。白を基調にしたシンプルなデザイン

社会に出てから“Mastery for Service”の価値に気づいたという声

立ち上げに向けてインタビューを進めていくと、出会う卒業生一人ひとりが個性的で、その生き方も考え方も面白い。そして皆、さまざまな卒業生との豊かな関わりを持っています。「卒業生を通じてつながりを広げ、寄稿や取材、情報発信に協力してもらうことが、関西学院のブランディングのキーなんじゃないかという思いが、取材を重ねるごとに強くなっていきました」と中谷さんは実感を語ります。

「社会に出てからも同窓のつながりが結構あって、皆さん、横でも縦でもつながっているんですね。取材を続けていくなかでそれがわかってきて、『この企画はいける』と感じました。サイト公開後、本学の公式HPとSNSにお知らせしただけでしたが、初月の閲覧数が1.5万PVに達し、私たちが想像した以上の反響でした。これも卒業生の発信力や情報共有の賜物だと思っています」

インタビュー記事に登場する卒業生たちは、業界や世代はさまざまだが、どの方も言葉や生き方の節々に“Mastery for Service”を感じさせるものがある

また和田さんは、卒業生にメッセージの執筆や取材への協力の依頼メールを出しはじめた当初、返信いただいた内容に驚いたそうです。

「こちらがお願いしているにもかかわらず、卒業生から『この企画に声をかけていただいてうれしい』と、総じて喜びや感謝の言葉をいただけるんです。たとえば、『メッセージを執筆することで自分の現在地を確認できた』、『学生だった頃はわからなかったが、今あらためて問われて“Mastery for Service”の価値に気づけた』といった声も多く、このサイトをつくる意義を感じ始めました。最初から全部が見えていたわけではありませんが、“Mastery for Service”を、それぞれ自分の言葉に落とし込んで表現してもらったことがよかったのだと思います。読み手にもそれが伝わっているんじゃないかと思うんです」

寄稿されたメッセージは長さも書き方もバラバラだが、だからこそその人の生き方があらわれた説得力のある言葉になっている

ブランディングどころか、社会貢献にもつながるポテンシャルを秘めている

『Mastery for Service』サイトは、社会に関西学院のブランド価値を示すことが目的ですが、それだけではありません。「まずはこの取り組みを、卒業生の新たなつながりの場にできたら」と中谷さんは想いを口にします。

「今まで取材した人の多くは、卒業してからのほうが“Mastery for Service”を強く感じると言っていました。あらためて“Mastery for Service”を、自分の言葉で綴ってみたり、ほかの人の言葉に触れたりしたときに、学生時代では得られなかった気付きや共感、励ましを得ることができる。“Mastery for Service”を軸に、そういった精神面でのつながりを広げていくことは、きっと卒業生にとってもプラスになるのではないか。そんな活動をベースに関学の価値を社会に伝えていく、それが私たちらしいブランディングなのではないかと思っています」

和田さんは、「ブランディングどころか、社会貢献にもつながるポテンシャルを秘めている」と感じており、「うまく循環していけば、とても有意義な取り組みになる」と力を込めます。

「たとえば、ひと月の間に1万人の方がこのサイトをご覧になるとし、そのなかで “Mastery for Service”の精神に共感し、少しでも生活に取り入れてみようとする方が出てくだされば、ものすごくうれしい。そういった方が増えていくことは、本学の価値を高めるだけでなく、世の中にとっても、とても意義のあることだと思うからです。“Mastery for Service”という考え方や生き方の魅力を広く伝えていくことが、関西学院の関係者だけでなく、世の中のためにもなる。そう思えることは、この活動にかかわる僕たちにとっても大きなモチベーションにつながります」

卒業生の言葉から、“Mastery for Service”の精神について、ひいては関学の魅力についてあらためて教わることも多いという本プロジェクト。まだサイトが開設してから半年ほどとスタートラインに立ったばかりなので、「まずはより多くの方々に知っていただけるよう力を尽くしたい」と二人で異口同音に語ってくれました。